ヴィアマーレ

2019年1月・レッドシーツアーのご報告(エジプト観光・ダハシュール・メンフィス編)

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オプショナルツアー2日目はまずはカイロから40kmほど南に下って、ナイル西岸の砂漠地帯にあるダハシュールというネクロポリス(死者の都)周辺のピラミッド群を巡り、さらに北に20kmほど戻って古代エジプトの首都であったメンフィスとそのネクロポリスであるサッカラを巡ります。

ダハシュール

 

 

こちらではエジプト古王国時代クフ王の父スネフェル(紀元前2613年-2589年)が建設したとされる赤ピラミッドと屈折ピラミッドを巡ります。

 

赤いピラミッド

 

最初に訪れたのは、赤いピラミッド。エジプト史上、初めて直線のラインを持ち、壁面が二等辺三角形になっている方錐形の真正ピラミッドだとか。ちなみに高さはクフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッドに次いで3番目に高いとされています。

 

赤ピラミッド
赤ピラミッド、左にちょっと見えるのが屈折ピラミッドです。

 

建築時当初は石灰岩の化粧岩が表面全体に施されていたので白く輝いていたそうです。3000年近く経過した現在ではその化粧石がほとんど失われてしまい、化粧岩の下の花崗岩が露出してしまったので赤いピラミッドと呼ばれています。オリジナルの大理石は基部にわずかに残っているのみ、その色を見ればかつての赤ピラミッドの姿がどれほどの美しさだったか想像できるというものです。ちなみにキャップストーンも残っていて、ピラミッドの側面に鎮座しています。

 

赤ピラミッド
ピラミッドの側面に鎮座した赤ピラミッドのキャップストーン。

 

ちなみにこのキャップストーンは正面の墓跡入り口から向かって90度左に行った側面にあるので、意外と知られていないかもしれません。ちなみに今回はバリアだらけの環境はほとんど避けざるを得ませんでしたので赤ピラミッドも内部にも入りませんでしたが、ヌール嬢の説明によると、このピラミッド内部は昔から遊牧民や盗掘者のトイレになっていたらしく、内部は異様なアンモニア臭でとてもじゃないが我慢できるレベルではないそうです (⌒-⌒; )

 

赤いピラミッド
赤いピラミッド遠景

 

屈折ピラミッド

 

屈折ピラミッド
屈折ピラミッド

 

屈折ピラミッドは独特の形状をしており、建設中に技術的問題が発生したためにこのような形状になったと言われていますが、真偽の程は定かではありません。自分的にはおそらく何らかの明らかな意図を持って屈折させたのだと思ってます。

 

赤いピラミッドのようにエジプトの他のピラミッドでは、ほとんどの化粧岩が失われてしまっています(ちなみにカイロの街を建設するための資材として使われました)が、この屈折ピラミッドは全体的に比較的残っている方で、他のピラミッドの往時の姿が偲ばれます。

 

続いて20kmほどカイロに戻り、古都メンフィスでランチ。

 

メンフィス

 

古代エジプトの首都であったここメンフィスは職人の守護神プタハの加護の下にあるとされ、フウト・カ・プタハ(Hut-ka-Ptah プタハ神の魂の館)という神殿があり、一帯はギザのピラミッド群も含め1979年、世界文化遺産「メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」として登録されています。

 

メンフィスの地図
メンフィスのフウト・カ・プタハ周辺の遺跡群の地図

 

ラムセス2世像

 

フウト・カ・プタハの中心は地図の左上のエリアになりますが、今回はあのナルシスト、ラムセス2世の巨像が安置された博物館とその周辺を散策しました。

ラムセス2世の像はエジプト各地に数あれど、こちらの像は長さ約10メートル石灰岩の一枚岩から作られた記念碑的な石像です。1820年にプタハ神殿の南門のそばで発見され、発見された地で、背中の部分を地面に付けて横たわった状態で博物館として展示されていおり、人体の解剖学的構造の微妙さを見事に表現した美しい像です。

 

ラムセス2世像
現在では横たわった状態で保存されているラムセス2世像。かつてはプタハ神殿に屹立していた事でしょう。

 

ラムセス2世像

 

ラムセス2世像
屋外にも小ぶりなラムセス2世像が・・
スフィンクス像
スフィンクスも鎮座しておりました。何とも柔和なお顔をしておられます。
土産物の屋台
周辺には土産物売りの屋台もたくさんあります。

 

サッカラ

 

古代エジプトの首都メンフィスのネクロポリスであるサッカラにはたくさんのピラミッドがありますが、今回はその中でも特に有名な階段ピラミッドへ。

 

階段ピラミッド複合遺跡図
階段ピラミッドとその複合体が2020年に復元されて公開されました。

 

階段ピラミッド

 

階段ピラミッド
エジプト最古のピラミッド

 

エジプト第3王朝の二代目ジェセル王が紀元前27世紀に造らせたエジプト最初でかつ最古のピラミッドで「完全に石でつくられた世界初の建造物」とされています。付帯施設が近年になって復元されて、見応えのあるピラミッド複合施設となりました。2019年時点ではまだ復元作業が進行中で、2020年に完成したとのこと。

階段ピラミッドはピラミッドだけではなく、周辺の付属建造物とあわせてピラミッド複合体(ピラミッド・コンプレックス)を形成していました。上の図の通り、全体が高さ10m(540 x 280m)の外壁が取り囲んでいました。その北側には葬祭殿、東側に王宮とセド祭用の神殿、南側に「南墓」、西側には巨大な倉庫と、巨大建造物群だったようです。

上の写真の左の建物がピラミッド・コンプレックスへの入り口で内部に入ると行側に40本の石柱が両側に並び荘厳な雰囲気を醸し出します。

 

階段ピラミッドへ至る前庭
階段ピラミッドへ至る前庭
階段ピラミッドへ至る前庭
通路の出口付近
階段ピラミッドへ至る前庭
出口付近ではお土産もディスプレイされてました。
階段ピラミッド
階段ピラミッド本体の全景。結構広い。
階段ピラミッド
階段ピラミッドの罠

この写真を撮った後、無理やりロバに乗せられて写真を撮られ、法外なチップを要求されました。

まぁ、いい写真が撮れたと思えば気持ちそれなりのチップを払ってあげてもいいでしょうが、別に自分の写真は特に撮って欲しいわけでもなく、意図的すぎるので、低額のコインで誤魔化しました。エジプトではこんなことはそこいらじゅうであり得ることで、相手を見てボラれることもありますのでくれぐれもご注意ください。

 

カイロ市内に戻ってバザールを散策

 

オプショナルツアーの2日目はこの後、カイロに戻って買い物がてらハーン・ハリーリのバザールを散策

 

ホセイン・モスク
カイロ最大のバザール、ハーン・ハリーリの入り口にあるモスク。イスラム教では重要な聖地らしい。
ハーン・ハリーリ
まるで迷路のようなハーン・ハリーリ。迷宮です。
ハーン・ハリーリ
さすがカイロ最大のバザール、活気があります。
バザールのニャンコ
こちらもやはりニャンコ多発地帯。

 

この後、劇渋滞のカイロ市内を縫って、ホテルに帰着したのはほぼ19時。朝7時集合だったのでほぼ12時間のツアー。ヌールちゃん、運転手さん、本当にご苦労様でした。

 

さて次回はレッドシー、アフターダイブの最終章。古都テーベのルクソールをご紹介。いやいや、それはそれはハードなツアーでした。

この記事を書いた人

案納昭則

潜水歴四十年、総本数12000本を超える現役のSSI(スクーバ・スクール・インターナショナル)インストラクターでありJPS所属の職業写真家。
2003年にNHK「趣味悠々〜水中散歩を楽しもう(全7回)」講師を担当。上智大学外国語学部フランス語学科中退。
NPO法人沖縄県ダイビング安全対策協議会事務局長を歴任。

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