2019年1月・レッドシーツアーのご報告(エジプト観光・カイロ編)
目次
アフターダイブのエジプト観光!
せっかくエジプトまで来たのです。ダイビングはもちろんですが、憧れのピラミッドなどの遺跡を巡りたくなるのは必然!というわけで後半はエジプト観光を楽しみました。が、車椅子でのエジプト観光には様々な壁が立ちはだかることになるのです。
っと、その前に肝心のシャルム・エル・シェイクの現地情報
かつてはカジノ・リゾートとして人気の観光地でもありましたが、20年ほど前からテロが多発したため、一時期は日本国外務省の渡航自粛レッドカードまで出てしまったため長らく観光客が途絶えました。数年前からやっと沿岸部での渡航自粛が解除されたので今回のツアーとなりました。それでもシナイ半島の内陸部はまだまだ危険なレベルとされています。
というわけで今のシャルム・エル・シェイクの街中はすっかり寂れきってます。カジノは全て閉鎖状態。ショッピングモールもほとんど廃業状態でした。今回自分らが宿泊したのは空港からほど近いホテル・ノヴォテル・シャルム・エル・シェイクというホテルでしたが、まぁ、バリアフリー的視点では日本に比べればマシだけど、可もなく不可もないレベル。メインストリートを1kmくらい歩けば、かつての観光客向けの繁華街的なものがあり、スーパーや酒屋はあるのでとりあえず部屋飲みの酒とつまみはその辺で買いました。ただし歩道は車椅子での自力での移動は極めて困難です。段差だらけだし、たまーにスロープがあっても傾斜が急すぎで電動車椅子でも上がるのは不可能。まぁ今回は介助者が合計4名もいるのでなんとかなりました。
ほとんど毎日通ってたホテル近くのショッピング街の周辺は野良猫の宝庫。猫好きには堪らないエリアでした。
エジプト旅行のTIP
公衆トイレには神はない!と心得るべし!
ホテルやそれなりのレストラン以外、公衆トイレには一切トイレットペーパーは置いていない。というのはトイレの番人がペーパーを管理しているので、管理人にチップを払って紙をもらうシステムになっているようです。
日本人には馴染みのないチップ制なので戸惑いますが、神(紙)さえ持参していれば、番人に一切チップを払う必要はありません。
トイレがきちんと清掃されていてそれなりに快適に使えたと感じたら、むしろチップも払っていいとは思いますが、チップ払っていいと思うケースはまず皆無!仮に払うとしても、まぁエジプトの最低紙幣では多すぎ。せいぜい5ELかツタンカーメンが刻印されている1EL硬貨で十分といった程度。自分は15日間の滞在中で払ってもいいかなと思ったことは一切ありませんでしたが、一応気持ちだけはお支払いしました。
エジプトに限りませんが、海外旅行、特に途上国ではポケットティッシュを大量に百均で買って持参することをお勧めします。
おしりに問題がある方には、フィニッシュ用にさらに携帯用のノンアルコールのウェットティッシュがオススメ。下ネタで恐縮ですが、自分は痔持ちなので、海外はもちろん国内でも常に携帯用ウォシュレットは携帯してます。
セキュリティー・チェックが半端ない!
つい最近までテロが多発していた国なので、あくまでも1019年の時点での情報ではありますが、セキュリティーチェックはそこいらじゅうで厳重でした。ダイビングに行くボートのマリーナの出入り口、ホテル、博物館等、公共施設の出入り口ではほぼ日本の飛行場の国内便と同じレベルのセキュリティーチェックが行われます。
タクシーは基本、日本に比べればめちゃくちゃ安い。
でもボラれることもあると聞くから、止めた時にどこまででいくらか交渉したほうが無難。値段に納得がいくならOK。自分的には5キロ程度で50EL(300円程度・2019年時点)なら乗った。納得行かなければ別を探すべし!ただ英語すら通じないケースがほとんどだから、スマホを駆使して行き先、料金等確認しよう。移動中もちゃんと自分の意図する目的地に向かっているか確認できれば安心だが、Google Mapを海外で使うにはWiFiルーターを日本からレンタルしていないと、海外データローミング料金がめちゃくちゃ高額になるので注意が必要。
カイロでもトゥクトゥクが活躍、ですが利用は自己責任で!
カイロはこれまで自分が滞在したことのある世界の街の中では最も道路交通事情が劣悪で(ちなみにカイロに続くセカンド・ワーストはクアラルンプール)、日本の道交法の常識は全く通用しません。
ほぼ100%自動車優先で、信号もほとんどなく、歩行者は全力で走る車の間を縫うように渡って行くのが普通。道を渡るにも相当の覚悟が必要ですが、ラッシュ時になると車は全く動かないので、むしろ歩行者にはありがたいのですが、逆に通常なら空港からカイロ中心のホテルに40分ほどで着くはずが、ラッシュ時になると車は全く動かず、2時間以上かかることも。
渋滞時に特に便利なのがトゥクトゥク。渋滞をスルスルと抜けて短時間で目的地に着けるので便利でしかも安価ではあります。が、超アクロバティックなので心臓に良くはない。実はこのトゥクトゥクの存在自体が未だエジプトの道交法の適用外で、運転免許も必要ないので下手すると10代のガキがオペレートしているケースもあるようで、利用はあくまでも自己責任、と思ってください。シナ人や韓国人は結構利用しているようですがが、日本人が利用することはあまりないらしく、トゥクトゥクに乗った話をすると、現地の日本語ガイドのヌールちゃんには「信じられない!」とめちゃくちゃ怒られましたとさ ^^;、 まぁ、身の安全を考えたら基本的には使わないほうがいいに決まってますね。自分的にはめちゃくちゃ楽しかったですけどね(笑)
酒飲みのために・・・・・
エジプトに行くならDrinkiesにユーザー登録を!
エジプトはイスラム圏なので、本来、基本的にアルコールはNGです。が、もちろん世界でも有数の観光地ですので、リゾートなどでは普通に酒類を提供しています。また、エジプトにはDrinkiesという酒類販売のチェーン店がネットワークを持っていて、カイロ市内にはもちろんシャルム・エル・シェイクなどの観光地には必ずあります。カイロの繁華街では結構見かけました。しかもホテルに宅配もやってくれるので酒飲みは事前にユーザー登録しておくと安心です。
ちなみに、当然ながらビールかワイン、ウィスキー等の洋酒がメインです。ワインではびっくりすることにメイド・イン・エジプトもあったりします。南アフリカから輸入したブドウをエジプト国内で醸造しているようです。まぁ、味はもちろんそれなり、でも一度は「話くわっちー(沖縄方言:話のタネ?的な?)」でぜひお試しください。
エジプト航空にて
エジプト航空ではアルコールの提供は一切ありませんが、アルコールの持ち込みは少量であれば黙認のようです。もちろん公式にはNGです。
日本出発の便では出国手続きをすませた後のDutyFreeのワインや売店で買ったビールなどは持ち込めるし、機内で飲んでも基本文句は言われません。
エジプト国内便、エジプト発の便ではアルコールの持ち込みはまずNG。ですが、350ccのビールなら他のジュース類と同じなのでスルーされる可能性大。DutyFreeのワインなら大丈夫なのだですが、皆さんその事を十分ご存知のようで、DutyFreeのワインの棚はいつもほとんど売り切れ。ちなみに自分は出国後、空港内で残った現地通貨で買った500ccのビール3本を搭乗直前で没収されて空港スタッフと大げんか。機内で隣のおっさんがハイネケンの350cc缶を機内でフツーに飲んでてムカついた。なんともいい加減な腐りきったイスラム文化圏なのでした。
部屋でワインを飲みたかったら・・・
基本アルコールはNGのイスラム圏なので、よほど高級ホテルでない限りワインオープナーはレンタルできないと思ってください。もちろんダイソーはありませんし、スーパーにもありません。先のDrinkiesでは売っているところもありましたが、結構いい値段します。日本から持って行くのがベストですが、オープナー等は機内持ち込みだとセキュリティーで100%引っかかります。手荷物に忍ばせておきましょう。
手元にオープナーがない場合は、最善の策は先のDrinkiesで選択肢は限られますが、スクリューキャップを選ぶ。自分は基本ワインは赤のフルボディ派なので、まず間違いなくコルク栓、なので、これは学生時代にフランスを旅した際によくやった手ですが、ワインの口より少し口径の小さい円筒形のものを用意して、コルクごとボトルに落としてしまう、ワイン開栓の最終手段です。ダイビング器材や水中カメラのパーツや工具など探せば結構あるし、鉛筆でもできなくはないです。
カイロ市内観光
まずはお世話になった日本語ガイドのヌールちゃんをご紹介!
カイロ周辺のガイドはもちろん、到着、出国など、今回のエジプト旅行でとてもお世話になったのがエジプト人の日本語ガイド、ヌールちゃん。日本語に訳すと、「光」ちゃんとか「朱里」ちゃんとか言ったイメージらしいです。
どこかの都知事が卒業したとされるカイロ大学の日本語学科卒の秀才。でもまだ日本には来たことがないというので、ヴィアマーレで一儲けしたらぜひご招待したい方でもあります。最近彼女のFacebookのアイコンがこのブログのアイコンと同じ画層が使われているので、嬉しい限りです。エジプト旅行の際にはぜひご指名いただけたらと・・。日本語がペラペラなのはもちろん、エジプトの歴史の知識もさることながら、いろんな側面で本当に親身に接してくれるカイロ最強の日本語ガイドさんなのです!
那覇まちまーいガイドもやっているスタッフ小菅とも意気投合、ヌールちゃんのガイドを勉強していましたよー。
エジプト観光初日は朝からギザの三大ピラミッドへ!
さて、ヌールちゃんガイドのエジプト観光!初日はまずはギザの三大ピラミッドと、隣接するギザの街観光。そして午後はエジブト博物館!
三大ピラミッドといえばエジプト古代王朝前半期にあたる第4王朝のファラオ(王)であるクフ王、カフラー王、メンカウラー王の墓とされています。
一番大きいのがクフ王のピラミッドで高さ144.6m(現在は138.3m)
ピラミッドの頂点には本来はキャップストーン、エジプトでは「ベンベン」と呼ばれる四角錐の巨大な岩が鎮座していましたが、三大ピラミッドでは遥か昔にキャップストーンは失われ、さらに風化も進んだため現在では138.3mとなってます。他の2つのピラミッドも同様です。数あるピラミッドの中にはキャップストーンが現存し、エジプト博物館に収蔵されているものもあったりします。
本来ならクフ王ピラミッドの内部を散策したいところではありますが、バリアフリー環境は一ミリもないオールバリアーの環境なので、今回は断念し、その他の二つのピラミッドを含め、周辺をゆっくり散策してみました。
スフィンクス
定番のスフィンクス!
頭の弱いフランスの皇帝ナポレオンが大砲の練習の標的にしたため鼻が落ちたというスフィンクス。やっぱり絵になりますね。
ナポレオンがこの世に存在しなければもっと綺麗なスフィンクスが見られたと思うと残念でなりません。
学生時代、フランス学を学んだ自分ですが、ナポレオンは昔から大っ嫌いなのです!!
カルトゥーシュのオリジナルペンダントを作る
ギザのショッピングでまず連れてってくれたのが、ツアーのルーティーンと思われるギザの貴金属ショップ。
こちらでは自分の名前をヒエログリフに刻んだカルトゥーシュのペンダントヘッドをその場で作ってくれます。
カルトゥーシュというのは碑文やモニュメントなどにファラオ(王)の名前を刻むときにファラオの名前の象形文字を囲んだシンボルのこと。ちょっと罰当たりなようですが、自分の名前をファラオの名前として刻んだペンダントヘッドを作れるのです。
もう2度と来ることはないかもしれないエジプトですので奮発して純金のカルトゥーシュを作りました。
表面には自分の名前の象形文字、裏面には上からアンク(生命)、スカラベ(復活)、ロータス(再生)のシンボルが刻印されています。他に裏の選択肢としては有名なファラオであるツタンカーメンや女性ならクレオパトラのカルトゥーシュも選べます。
エジプトの香油と香水瓶の専門店・アリババ
次に連れて行ってくれたのは香油の専門店。実を言うとエジプトはヨーロッパで香水となる原料の様々な香油の一大生産地。エジプトで生産され、精製された香油が世界中の主な香水の原料になっているのです。と言うわけで混じりっけのない純粋な香油を安価でゲットできるのもここエジプトならでは。まぁそれなりに観光地価格ではあるでしょうがそれでも十分安いと思います。
またオリジナルの香水瓶やグラスなども作っていて、写真のピラミッドの柄のグラスは熱湯を入れても大丈夫だとか(怖いのでまだ試してはいません。)
店主は今でも八王子に別宅を持っているといい、日本語ペラペラ。八王子在住のY.Hさんともローカルな話題で談笑しておりました。
こちらのショップでは香油だけでなくオリジナルのガラス製品も作ってます。グラスは熱湯にも耐える強度があり、香油用のガラス容器にも魅惑的なデザインのものがたくさんありましたよ。
今回自分が購入したのは、左から咳止めに有効とされるフランキセンスという香油。次にアリババという名前の男性用の香油、つける人の独特の体臭とブレンドされて蠱惑的な香りになるとか (⌒-⌒; ) 次のロータスは女性用。一番右はミント。鼻炎で鼻詰まりがきつい時に楽になります。その他、数十種類のナチュラルな香油を取り揃えてます。
エジプト考古学博物館
エジプト考古学の宝庫。自分的にはまる一日、いや1週間毎日通っても飽きないところです。今回は空き時間を見つけては3度ほど通いました。
2019年の時点ではこの博物館の老朽化に伴い、3大ピラミッドのあるギザの地に新たな博物館が建設中で、2020年にはオープン予定でしたが、コロナの影響で大幅にオープンが遅れ、2021年の4月にようやくオープンしたようです。旧エジプト博物館もそれなりに歴史的な建物なので取り壊すことなく存続させていただきたいものです。
ラムセス2世はエジプトで最も敬愛されているファラオ。征服王として有名でエジプトの勢力を史上最大にしました。有名なアブシンベル神殿を始め、エジプト各地に沢山の神殿を建設しました。究極のナルシストだったようで、アブシンベル大神殿の正面の4体の彫像は青年期から壮年期に至る全てがラムセス2世像。小神殿も4体のラムセス2世と2体のネフェルティティ妃像が交互に配置されています。
ツタンカーメンのコーナーと並んで人気のコーナーが「ユヤとチュヤ」のコーナー
ユヤとチュヤはアメンホテプ3世王妃、ティイの両親で、ツタンカーメンは曽祖父母にあたります。
中学校の頃は妹の影響で少女漫画ばっかり読んでて、里中満智子先生の「海のオーロラ」という漫画は愛読しておりました。その最初のエピソードのエジプト編のヒーローがトトメス三世!というわけで念願かなって昔からの憧れの方にお会いできました!
正しくはトゥト・アンク・アメン王。の黄金の柩。エジプトではほとんどの博物館で入場券に加えカメラチケットを別途購入すれば自由に撮影できますが、ここエジプト博物館でも後述する王家の谷のお墓でもツタンカーメンに関わるところは撮影は一切NGになってます。ということでこちらは展示室の外から望遠で撮影しました。見苦しいですがご容赦ください!
ちなみに2022年1月でおよそ1500円のお札です。
地味だけどカイロの地下鉄も面白い!
カイロには地下鉄網が整備されています。主な観光地には地下鉄でも行くことができますので、ツアーなどを使わなくてもプライベートで自由に散策することも可能です。ゲストがお休みの日に地下鉄を利用してカイロの街中を散策してみました。
日本と比べると8人がけのシートに無理やり9人とか座ったり無茶苦茶なんですが、女性や老人には優しく、そんな狭いスペースでも譲ってくれたりする優しさがあるのでした(汗)
コプト博物館
ホテルからは少し歩きましたが、ギザ方面行きの地下鉄に乗りSadat駅乗り換えオールド・カイロの Mar Girgis 駅で下車。目の前がコプタ博物館です。
コプト博物館は、原始キリスト教の一派であるコプトキリスト教の遺物コレクションを所蔵する持つエジプトのオールド・カイロにある博物館。コプトの骨董品を収容するために1908年にマーカス・シマイカによって設立されましたが、建物自体が所蔵品を最大限に魅せるための独特な建築であり、その建物の建築様式、ステンドグラスなどの装飾品も見事です。
エジプト博物館もコプト博物館ももっと紹介したい収蔵品の写真は山ほどあるのですが、重くなるのでこれくらいにしときました。また機会があったらご紹介したいと思います。
さて、アフターダイブのエジプト観光、カイロ編でした。続いてダハシュール&メンフィス編に続きます。乞うご期待!
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