水中の危険生物とファーストエイド(棘毒編)
水中にはさまざま危険生物がいます。
今回はその主な生物の特徴と万が一被害にあった時の対処法を体系的に整理してみたいと思います。
こちらが海洋危険生物の応急処置にまつわる正誤表とファーストエイドの詳細になります。
プリントアウトしてパウチっこして携帯すると便利です。
「鉤」とあるのは刺胞と呼ばれる鉤状の細胞から発射される毒によるもの。
「棘」はわかりやすいですね。物理的な「棘」に有毒物質が含まれるものです。
「槍」は貝類独特なもので、吻と呼ばれる口元からまさに「槍」のように毒牙を発射し、獲物に毒を注入して捕食します。
「咬」ウミヘビは毒牙、ヒョウモンダコは唾液に毒があります。いずれも噛まれることによって受傷するパターンです。
目次
オニヒトデ
数えきれないほどの種類のあるヒトデのグループですが、毒があるのは世界でもオニヒトデとアカオニヒトデの2種類だけとされています。
オニヒトデといえば自分らの組織では古くからの難敵です。ダイビングを始めた当初の80年代の座間味の修行時代から沖縄県ダイビング安全対策協議会を経て現在に至るまで様々なシーンで、危険生物というよりもむしろサンゴ食害生物駆除という現場で自分のダイビング歴と平行するようにお付き合いしてきた存在なので、もはや今では敵というよりオニヒトデ愛と化しているくらいです(笑)
まぁその辺のオニヒトデ愛についてはまた別の記事でお伝えするか、あるいは自分以上にオニヒトデ愛が深い当店非常勤スタッフがお伝えするかもしれませんが、今回はあくまでも危険生物という側面からオニヒトデをご紹介していきます。とにかくオニヒトデに刺されると下手すると命に関わります。アナフィラキシーショックという言葉を聞いたことがある方は少なくないでしょう。陸のスズメバチなどのハチによる被害、特に最近では新型コロナウィルスワクチンによるアナフィラキシーショックもよく紹介されています。いずれもそのある種の毒に対し、最初に遭遇した際には大事に至らないものの、初めて体内に入った毒に対し、体がその毒に対抗するための「抗体」を作ってしまうため、2回目にその毒に遭遇すると体内に生成された抗体が過剰なアレルギー反応を引き起こし、その敵となる毒のみならず体内の他の正常な器官をも攻撃してしまうことで、下手すると命に関わる劇症に至るアナフィラキシーショックを引き起こす可能性のある厄介な危険生物の一つです。もちろん全員がなるわけではなくこれは個人の体質、その時の体調にも依存します。
沖縄で古くからやっているダイビングショップのオーナーやインストラクターなら何度もオニヒトデ駆除に駆り出され、一度や二度はオニヒトデに刺された経験があるはずなのですが、以前ご紹介した刺胞動物グループの被害に比べると圧倒的に個人差が非常に大きく、ベテランのインストラクターでも刺されたら即救急搬送という人もいれば、イラモやガヤには弱い自分でもオニヒトデに関しては何度刺されてもそんなに重症に至らないケースもあったりします。
自分はガイドダイバーとして水中でオニヒトデを見かけると、なるべく駆除するように心がけてはいますが、一般のダイバーは決してマネしないようにしてください。簡単にやっているように見えるかもしれませんが、慣れてない方が下手に手を出すと間違いなく逆襲にあいます。しかも場合によってはタダではすみません。
オニヒトデへの刺傷への対処法
まずはとにかく熱湯です。ギリギリ我慢できる程度の熱めのお湯をかけ続けるか、お湯をビニール袋などに入れての温湿布。お湯がない場合は夏場なら太陽光で熱くなったボートのデッキなどに患部を当てることも有効です。そうすることで痛みはかなり緩和されます。ただし火傷にはくれぐれもご注意を!
陸に戻ったら必ずすぐに医療機関を受診してください。受傷状況にもよりますが、体内に棘が残っているケースが多いので、切開して除去しなければ治癒に時間がかかるだけではなく、悪化させることになりかねません。
一度でもオニヒトデに刺された経験がある方はエピペンというアドレナリン自己注射薬を処方してもらって携行することをお勧めします。これはいざという時に自分で注射することができるファーストエイドアイテムです。オニヒトデに限らず、アナフィラキシーショックの兆候が見えたら自分で処置できる補助治療剤という位置付けになっており、以前は医療保険適用外だったので高価な上に有効期限が1年ほどとハードルが高かったのですが、数年前からきちんとした処方があれば保険が適用されるようになったようです。
当店ではもう10年以上前から自分で使うというより、万が一、ゲストにアナフィラキシーショックの兆候があった場合に備えて、医療行為となることを承知の上で常に備えていましたが、とりあえずあくまでも過去のことにしておきましょう (⌒-⌒; )
ウニの仲間
ウニの仲間は見るからに危険そうなのでその存在に気がつきさえすれば、普通はあえて意図的に触ろうとする方はまずいないでしょう。注意すべきはその存在に気がつかない場合と、ウニっぽくないやつら。その中でも特に毒性が強いのがイイジマフクロウニとラッパウニです。この二つは覚えておいてください。
ウニの仲間は基本的に夜行性です。昼間は小型種は岩場の隙間に、ガンガゼなどは浅場の澱んだ海で密集しています。写真のガンガゼの右手にもナガウニが岩の隙間に隠れているのですが、ちょっと見にくいかなー。ごめんなさい。
ナガウニなど小型だけど太くて短い棘があるグループは沖縄などではビーチエントリーの際に通過する波打ち際から浅場の岩のちょっとした窪みなどに潜んでいますので、ブーツを履いてさえいれば日中はまず踏み抜くことはありません、が、ナイトダイビングでは外に出てきますので注意が必要です。見るからに痛々しい、写真のガンガゼも昼間は浅場の岩の窪んだところなどに密集していたり、港の桟橋の隅っこのあまり光が当たらないところに密生していたりします。後述するイイジマフクロウニやラッパウニほどではないですが、一応その棘には多少なりとも毒があります。またまた若かりし座間味時代の苦い思い出なのですが、自分が学生の頃からバブル全盛期にかけて座間味港ではフェリーが出航する際、ゲストを見送りするためにダイビングのスタッフが一斉に海に飛び込んでフェリーを100mほど追いかけ、水面で自分の水着を脱いで振るという「パンテーラ」なる儀式が存在していました (^^;; ある時、パンテーラの儀式を済まして陸に上ろうと港の桟橋に設置されたフェンダーという中空の三角形の緩衝材に足をかけたところ、その中空に潜んでいたガンガゼに脛一面を思いっきり刺されてしまい、陸に上がって10歩ほど歩いて痛みと毒によるショックで港でぶっ倒れたことがあります。その時は脛に青タンができるくらいに広範囲に刺されてました(⌒-⌒; ) 刺さった棘はおよそ数十本!ガンガゼの棘は細くて折れやすいので流石に全て除去するのは不可能なので、そのまま放置、数日は痛みに悩まされましたが、ガンガゼの棘は細いのでいつの間にやら体に吸収されたのか数ヶ月後には跡形もなく完治しました。
日中のダイビングではよほど内湾でなければそうそう目にすることはないでしょうが、ウニの仲間は夜間には活発に活動しますのでナイトダイビングではくれぐれも注意が必要です。ほとんどのウニは物理的な棘による被害だけで毒はさほどないとされていますので、よほど敏感な人か体調が悪かったりしない限りは毒に対してはそんなに心配はいりません。そりゃまぁ刺されればとにかく痛いに決まってます。
しかしながらそんなウニの仲間でも特に毒性の強いとされるのがこれからご紹介する2種類ですのでぜひ覚えておきましょう。
イイジマフクロウニ
直径10〜15cmほどのまんじゅうのような形状のウニの仲間。近似種にリュウキュウフクロウニというのがいるのですが、正直見分けがつきません。上の写真もイイジマフクロウニとしてますが、ひょっとしたら沖縄なのでリュウキュウフクロウニの可能性が高いかもしれません。いずれにしろ見た目には非常に美しいウニです。特にクローズアップにすると一つ一つの棘にビーズのようなものが連なっていて、まさに海の芸術品の一つ。ですが、美しいものには棘がある!というわけで、下のラッパウニと並んでウニの中では毒性が高いとされています。
ラッパウニ
イイジマフクロウニと同様のまんじゅう型、大きさもほぼ一緒ですが、一見棘が見当たらないのでウニと認識できないかもしれません。ラッパウニという名前の由来になったラッパ状の叉棘(さきょく)と呼ばれるのがその正体で、短い棘が3本ほどグループになって間にラッパ状の膜で繋がっており、結局そのラッパ状の叉棘(さきょく)の全てに毒があります。水底では本体の周りに、リュウキュウスガモなどの海藻やサンゴのカケラ、挙句の果てには小さい海底ゴミなどを纏わりつかせてカモフラージュしているのでそうと気がつかずに刺されてしまうということもないとは言えませんので注意が必要です。
ウニ類の刺傷への対処法
まずは可能な限り刺さった棘を除去し、本人に違和感がないようであれば、経過観察しつつステロイド軟膏などを塗布してさらに様子を見ます。自分の症例のように多量の棘に一度に刺された場合は悠長に棘の除去をするよりもまずは、お湯をかける、あるいは温湿布などで痛みが緩和させながら、可能な限り棘を除去し、医療機関を受診すべきでしょう。自分の場合は完璧放置でしたけどね (^^;; まぁ、そういう時代でした。
魚類
棘による被害の多くは魚類によるものです。まずはエイの仲間、ダイバーが被害を受けることはまずないと思われますが、ビーチなどで遊んでいる際に砂に潜っているエイの棘を踏み抜くケースは少なくなく、映画でもよく題材に取り上げられています。そして水中写真の格好の被写体になってくれるミノカサゴなども万一刺されるとタダではすみません。アイゴやゴンズイなどはダイバーよりむしろ釣りで気をつけてほしいものになります。
エイの仲間
エイの仲間にはその長い尻尾の真ん中へんに尾棘と呼ばれる毒牙が体の流れとは反対方向に生えています。基本的にはエイを見たら尾鰭に毒牙があると思った方が賢明です。毒牙がないのはマンタなどの大型の回遊性のエイに限られます。
こちらは沖縄のダイビングシーンでは最もレギュラーなヤッコエイ。砂地でマントのように広がった大きな鰭をパタパタさせて口の周辺を陰圧にしながら砂に紛れている甲殻類や小型の貝類を捕食しています。この連中はダイバーが近寄ると100%脱兎のように逃げ出すので、まず被害を受けることはありません。
エイ刺傷への対処法
エイの毒もタンパク毒なのでオニヒトデ同様、温湿布が有効。ギリギリ我慢できる程度の熱めのお湯をかけ続けるか、お湯をビニール袋などに入れての温湿布。お湯がない場合は夏場なら太陽光で熱くなったボートのデッキなどに患部を当てることも有効。そうすることで痛みはかなり緩和されます。ただし火傷にはくれぐれもご注意ください!
必ず早期に医療機関を受診してください。
オコゼの仲間
オコゼ・カサゴという名前がつく魚には多かれ少なかれ背鰭の先端に毒を持っています。
オコゼの仲間で特に注意が必要なのはオニダルマオコゼやオニオコゼ、メオニオコゼなどのグループと沖縄では稀ですが、メガネウオに代表されるミシマオコゼのグループです。
オニダルマオコゼ
写真では分かりにくいかもしれません。現場ではもっと分かりにくいのがこのオニダルマオコゼです。カラーバリエーションも多く周りの環境に溶け込んでおり、岩に身をやつしていたり、砂に潜っていたり。背鰭には非常に硬くかつ太い毒棘があり、ダイビングブーツやビーチサンダルなどは簡単に貫通してしまうため、太い海水浴や磯遊び、ビーチエントリーのダイビングなどでそうとは気づかずに踏み抜いてしまうケースや、不用意に砂地に着底した際に受傷するケースが多く、その毒は強力でハブ毒の80倍とも言われ、死にいたる場合もあります。刺し傷跡が直線的に3点並ぶことが多く、それが判断基準にもなり得ます。
ヒメオニオコゼ・オニオコゼ
こちらも普段は砂に潜っていることが多く、たまに胸鰭の軟条の一部が進化して分離した脚を使って水底を器用に歩いている姿も見ることがあります。しつこく追いかけていると、写真のように美しい胸鰭を開いて泳いでいきます。こちらもやはり着底した際にそうとは気が付かずに刺されるパターンです。写真にある通り長い背鰭に毒があります。
またオニオコゼは沖縄ではあまり見かけませんが、やはり砂に潜っているケースが多いので注意が必要。こちらは背鰭だけでなく腹鰭、臀鰭、頭部にも毒棘を持ちます。
メガネウオなどのミシマオコゼの仲間
メガネウオは撮影した記憶はあるのですが、残念ながらフィルムでしか残ってません。写真を見たい方はググってみてください。この仲間も基本的に砂に潜って、魚が通りかかるのを待っているグループですので、着底した際に刺されるパターンです。
そのほかにもオコゼの仲間で毒があるとされるものに、ダルマオコゼやヒメオコゼ、ハオコゼやツマジロオコゼなどがあります。
オニダルマオコゼ刺傷への対処法
ここではオコゼの仲間でもとびきり毒性の強いオニダルマオコゼへの対処法を見てみます。他のオコゼ類も毒性はオニダルマオコゼほど強くはないものの基本的な対処法はオニダルマオコゼ刺傷に準じます。
特にオニダルマオコゼに刺された場合はまずは刺されたところを心臓より低くして、毒の拡散を防ぐために受傷部より心臓に近い部分を縛り、傷口を洗浄して消毒液を塗り、早急に医療機関に搬送します。搬送時間が長くなる場合は止血を時々緩めて血流を流してやらないと壊死する恐れがありますので注意が必要です。刺されたて間もない場合には、できるだけ傷口から毒を絞り出すのも有効です。
またオニヒトデやエイ刺傷と同様、43℃ほどの火傷しない程度の熱めのお湯に浸けると痛みが緩和します。
特にオニダルマオコゼによる刺傷が疑われる場合には必ず医療機関に搬送します、その他のオコゼ類ではオニダルマオコゼに比べれば毒は弱いので止血する必要はありませんが、少しでも重症化する恐れがある場合には必ず医療機関を受診してください。
カサゴの仲間
カサゴの仲間もほぼ例外なく背鰭に毒牙あります。特に注意が必要なのはミノカサゴのグループとオニカサゴのグループですが、その生態は両極端です。
ミノカサゴのグループ
おおよそダイバーが最初に覚える危険生物の一つではないでしょうか?ただのミノカサゴ、ハナミノカサゴ、ネッタイミノカサゴ、キリンミノほかいくつかの種類が知られていますが、どれもド派手に着飾って自己主張しています。沖縄では「ウフミヤー」と呼ばれるキンメモドキやスカシテンジクダイが群れている根には必ず数匹で舞い踊ってますし、また残波岬などでは壁に沿って舞いながら餌を物色している姿を目にします。背鰭の先端に毒棘がありますが、自分でもそのことを十分自覚しているようで、ダイバーが近づくと威嚇するように背鰭を波立たせながらこっちに向けてきます。
学生時代に本当に毒があるのかどうか実際に触りに行った結果、手を倍ぐらいに腫らしてしまった豪傑の先輩がいましたが、決して真似しないようにしましょう。認識さえしていれば自ら触りに行くことはよもやないでしょうが、ミノカサゴの仲間は近寄るとあちらから仕掛けてくることもありますので、特に脚で蹴ったりしないように注意が必要です。ミノカサゴの棘はウエットスーツぐらいなら簡単に貫通します。
オニカサゴのグループ
同じカサゴ目フサカサゴ科に属するグループですがその生活パターンは対照的。ミノカサゴのグループはド派手ですが、オニカサゴのグループは地味でオニダルマオコゼなどと同様に環境に溶け込み身を隠す忍者のような生き方をしています。ただオニダルマオコゼなどの砂に潜るわけではないので、慣れてしまえば意外とその存在には気がつくことができます。オニカサゴのグループには写真のオニカサゴとウルマカサゴを筆頭にサツマカサゴやボロカサゴなど20種類ほどでしょうか。
とにかくダイビングでは水底に着底しないことが基本ですが、万一岩などを掴んだり、砂地に着底する必要がある際にはそこにカサゴやオコゼの仲間をはじめウニなどの危険生物が潜んでいないか最新の注意を払うことが肝要です。
また沖縄にはいませんが、内地にはその名もハチという魚がいます。同じカサゴ目フサカサゴ科に属す魚ですがミノカサゴのグループ、次のオニカサゴのグループと比べても姿形こそらしくありません。また生活様式的にも前述のオコゼに似ていて砂に潜る性質がありますので注意が必要です。
カサゴ刺傷への対処法
基本的にはオコゼ類への対処法に準じますが、オニダルマオコゼほど毒は強くはないので毒の拡散を防ぐための止血は必要ありません。
43℃ほどの火傷しない程度の熱めのお湯に浸けると痛みが緩和します。
重症化する恐れがある場合には医療機関の診察を仰ぎます。
アイゴの仲間
アイゴの仲間には日本に14種類ほど、そのうち沖縄には13種が生息しています。沖縄の珍味の一つ「スクガラス」の「スク」はハナアイゴの幼魚で、沖合で孵化した幼魚は旧暦6月1日の大潮前後に餌の藻類を食べるために一斉に沿岸に押し寄せます。着岸して藻類を食べてしまうと見に臭みが出てしまうので、着岸する前に網で一網打尽にしてしまいます。それを塩辛にしたのが「スクガラス。」ほかにヒフキアイゴやゴマアイゴ、ヒメアイゴなどがあり、背鰭と腹鰭、尾鰭にも毒があります。釣りの外道として時々針にかかるので、外すときに釣り師が刺されてしまうケース、料理する際に刺されるケースが大多数で、ダイバーが触ろうと思っても簡単に触れるものでもありません。現在では餌付けはタブーとされていますが、かつて餌付けが行われてた頃にはアイゴの仲間も結構寄ってくるので闇雲に手を動かしたりして刺されるケースも稀にありました。
写真はいつでも取れると思ってるからなのか意外と撮ってませんでした。フィルムベースならあるのですが。まぁ早急に撮影してアップさせていただきます。
アイゴ刺傷への対処法
ダイバーが刺されることはまずないとは思われますが、刺されると激しい疼痛が起こりますので、こちらも火傷しない程度の熱めのお湯につけるか、温湿布で痛みを緩和します。重症例では呼吸困難や血圧低下などのショック症状を起こすことがあるので、必要に応じて救急要請します。
ゴンズイの仲間
ナマズの仲間です。浅場の岩礁や砂地とサンゴ礁の境目、港湾内でよく見られます。幼魚の群れは特に「ゴンズイ玉」と言われます。大きくなっても群れる性質は変わらず、ゴンズイ玉になったりラインダンスのように一列で泳いでいたりします。最大20cmほどに達し、第1背鰭と左右の胸鰭に毒棘があり、しかもその棘にはノコギリ状の返しがあります。
こちらもやはり外道として釣り上げられた際に釣り師が受傷するケースが圧倒的でしょう。ダイバーはゴンズイ玉を見たらむやみやたらに手を突っ込んだりしなければ被害を受けることはまずあり得ません。
ゴンズイ刺傷への対処法
他の魚と同様、刺されると非常に痛むので、火傷しない程度の熱めのお湯に患部を浸すことで痛みを緩和できます。症状がひどければ医療機関を受診してください。
水中の危険生物とファーストエイド(「槍」と「咬」編)に続く
このテーマの話は次で最終章です。乞うご期待・・・
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