ヴィアマーレ

アイスランドで出会った名爆(滝)

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アイスランドといえば氷河の国。

氷河から溶け出すミネラルウォーターの宝庫。しかも大地が裂けて新たな大地が生まれる地。ダイナミックな地殻変動が常に繰り返されているので、落差の高い、しかも水量が半端じゃない巨大な滝がそこいらじゅうにあるのです。

日本も地殻変動が多い地なので、数多くの名爆がありますが、日本らしい清楚な美しい滝が多いものですが、アイスランドのそれは水量が半端じゃない!ダイナミックで度肝を抜かれるような滝のオンパレードでした。

またフィヨルドに流れ落ちる名もなき無数の滝に囲まれた街並みは世界中のどこにも見られない絶景がありました。

 

まずは今回訪れた順に巡っていきます。

 

ちなみに滝の名前に必ず出てくる”foss”ってのはアイスランド語で「滝」のことです。

さてまずはレイキャビクからさほど遠くないゴールデン・サークルのエリアから・・・

 

オクスアルアゥルフォス Oxararfoss

 

 

アイスランド到着後のフライトの疲れをシリカホテルとブルーラグーンで癒した後、本格的な観光モードへ! まずはそもそもの目的地である、大陸が生まれるシンクヴェトリル(Þingvellir)国立公園を目指します。ここはアイスランドのいわゆるゴールデン・サークルと称されるエリアの一角。張り切りすぎてシンクヴェトリル(Þingvellir)国立公園のビジター・センターには開館の9時前に着いてしまったので(ちなみにレイキャビクからは車で1時間弱)、そのまま通過して近くにある滝へ向かいました。

シンクヴェトリル国立公園内に5つある駐車場のうちP2に停めて徒歩で滝を目指しますが、その日は外に出ると一瞬でびしょ濡れになるレベルの大雨、ってかどちかってゆーとミゾレ?!車から出入りするたびに雨支度をしなきゃいけないのがめちゃくちゃ面倒臭いのでした。沖縄なら一年中島ぞうりだけど今回は山歩きもするのでUGGのムートンブーツ。レインウェアを着込みのにもいちいち車内でブーツを脱がなければならないのが面倒くさくて仕方がない!

とりあえず車内でなんとかレインウェアに着替えて、雨の中、駐車場から10分ほど歩いて滝に到着。大雨だからか人影はまばらというか自分達だけ。途中で外国人のカップルが1組来た。滝の前は木道のプラットフォームが整備されており、大雨の中でも足場が悪いということはありません。木道はシンクヴェトリル(Þingvellir)国立公園のビジターセンターからずーっと続いてるのですが、ここから歩くと 1750mほど距離があるのでちょっとしたハイキングになります。こんな大雨の日は心が折れる距離です😓

 

 

大雨なので撮影もままならないが、まぁ、この程度かと正直思う。この程度の滝なら日本にもいくらでもあるわ!的な?あとで分かったことですが、シルフラ・ダイビングの水域はこの滝から流れて落ちてきた水の中を潜るダイビングだったようです。

さらに帰国後調べていてわかったのですが、この滝の滝壺は実はとても深く、アイスランド語で「溺死の池」と称されていて、かつては処刑場だったのだそうだ。アイスランド旅行記の第1章「ハイライト」記事を思い出してほしい。ここシンクヴェトリル(Þingvellir)は西暦930年にアルシング Alþingi と言われる世界最古の近代民主主義会議が開かれた場所。当然裁判もこの地で行われていたわけで、隣接するこの滝が処刑場として選ばれたのも必然といえば必然。死刑を宣告された重罪人が女性の場合には袋詰めにされ、この深い池に投げ込まれ溺死させられたという。ちなみに男性の場合には首を刎ねられるか、吊るし首。どっちかってゆーと溺死よりも斬首か吊るし首の方がマシじゃね?と思うのは自分だけだろうか?💦こんな処刑制度は1838年に廃止されるまでおよそ1000年近く普通に実行されていたという。クワバラ、クワバラ。夜には行きたくないところです。

 

グトルフォス Gullfoss

グトルフォスとはアイスランド語で”gull”「金の」”foss”「滝」夕日を浴びて金色に輝くらしいが、今日は雨。まぁ幸いだいぶ小降りにはなってきた。ちなみにこちらもゴールデン・サークルの一角。アイスランドの名爆10選ではトップにランクインしている滝です。いうまでもないことですが、ゴールデン・サークルというこのエリアの呼称はこのグトルフォスから由来しています。

先ほどのシンクヴェトリル(Þingvellir)国立公園からは車で小一時間ほど。

まずはグトルフォスのビジター・センターへ。日本から持ってきたレインコートは用をなさなくなってしまったようなので、ここビジターセンターのショップでアイスランド製のレインコートを新調。

朝よりマシになったとはいえ、まだ降りしきる雨の中、トレイルに従って滝を目指す。歩き始めてすぐに遠くから地鳴りのような音が聞こえてきた。そして滝を見下ろす丘の上に立つとその全貌が目の前に広がった。映像で見たことは何度もあるがやはり本物は迫力が違う!

 

 

落差32mの二段構えの滝、流れ落ちる水量はなんと毎秒140トン。と言うことは140,000ℓ、想像もつかない量だが、美ら海水族館の大水槽の容量が7,500㎥と言うことは7,500,000ℓだから、およそ1分で美ら海水族館大水槽の水がすべて入れ替わっているのとほぼ同じという計算になります。ちなみに日本で最も水量の多い滝は日光の華厳の滝。水量は毎秒3トンと言われており、グトルフォスは華厳の滝の実におよそ50倍の水量を誇ります。。

少しはイメージできたでしょうか?💦

その後トレイルに沿って木の階段を降りて滝にアプローチします。

滝に近づくにつれ、とにかくその迫力が半端じゃない!大地の息吹を体で感じる瞬間です!

この日は雨でしたが、たとえ晴天でも立ち上る水飛沫でびしょ濡れになります。レインウェアは必携です。

 

 

 

とにかくどこをどう切り取っても絵になる滝でした。が、アイスランドにはもっと上の上の名爆がありました😅

 

 

ディヤンディの滝 Dynjandifoss

 

ゴールデンサークルには他にもいくつかの名爆があるのですが、後回しにして次に目指すはウェストフィヨルドエリア!

地獄の雨の中の未舗装道路を踏破してたどり着いたのがディヤンディの滝 Dynjandifoss。アイスランドの滝10選の一つ。ほとんどの観光客は逆方向から来るようだが、自分らはオフロードを制覇して、堂々の凱旋😁

 

落差100m、滝口の幅は30mほどですが滝つぼ付近で60mと、壮大に滝の裾がひろがっていて、下流に Háifoss、Úðafoss、Göngufoss、Hundafoss、Bæjarfossという5つの滝が連なっているダイナミックで美しい滝。「ウェスト・フィヨルドの宝石箱」とも称されています。

 

 

でも依然台風並みの強風につき観光客はまばら。遊歩道を歩いて近くまで行く気は全く起きない。ちょっとだけ撮影して、トイレで用を足して今夜の宿を目指します。

 

ゴーザフォス Goðafoss

ここからはいわゆるダイヤモンド・サークルの滝を巡ります。

ダイヤモンド・サークルを巡る拠点としてアイスランド第2の都市であるアークレイリで2泊しました。

ゴーザフォスとは「神(神々)の滝」という意味。拠点としたアークレイリAkureyri からは車で30分ほど。アークレイリを拠点とするとダイヤモンドサークルの入り口にあたる。

行きはまだビジターセンターが開いていない時間に到着、東側のメインの駐車場に車を停めて、まだまだ観光客がまばらな中を散策。

 

 

落差は12mほどとさほど高くはないが、幅が30m以上あり、滝の下の川のほとりまで行けるので下から滝を望むことも可能。ただし、万一流れに足をとられようものならあっという間に流されるだろう。水温は夏場でも4℃以下。ましてやレインコートなど着てたら、間違いなく命はない。ご注意を!

 

 

ダイヤモンドサークルを満喫してアークレイリへの帰り道、遠目に、あんなところにまたちんまい滝があるねー。なんてことを言ってたら、これがなんとゴーザフォス!

考えてみれば来た道を’戻ってるのだから再びゴーザフォスを通過するのは当然といえば当然なのだけど、完全に頭から消えていた ^^;

ゴーザフォスに「ごめんなさい」失礼なこと言って!と謝りながらの今日2回目のゴーザフォスGodafoss。

今度は対岸の西側パーキングに停めて、朝とは反対側から撮影してみました。滝の映像からパーンして下流域へ、動画後半の対岸の河岸に人影が見えますが、自分が朝立って上の動画を撮影した地点です。

 

 

 

デティフォス Dettifoss

デティフォスからはミーヴァトン湖 Myvatn を抜けて東に約1時間半。ミーヴァトンを超えるとほとんど荒涼とした平坦な大地が広がる。風が強く、遠くには所々砂嵐のようなものも見える。こんなところに滝なんかあるのだろうか?と半信半疑で車を走らせる。

 

 

が、この後、夢のような絶景に遭遇することになる。今回のアイスランド旅行で最もハイライトだった瞬間が訪れようとしていた・・・・

やっとデティフォスに至る道路標識が。標識に従って左に曲がるが、景色は全く変わる気配はない。と、唐突に駐車場に到着。風は強いが、天気もまぁまぁなので駐車場はかなり混み合っていた。こちらにはビジターセンターはないが、トイレは整備されていて、結構清潔だった。

ここから滝までは徒歩で約1kmとか。

とにかく歩く。トレイルも岩のなかを縫うように歩く感じで一体どこに滝が?という感じ。

不意に轟音が聞こえてきたと思ったら、唐突に視界がひらけて巨大な渓谷の底にデティフォスが現れた。目的のデティフォスは岸辺の幾何学的な模様がまずは印象的だった。

 

 

ここデティフォスはアイスランドに無数にある滝の中でも幅100m、落差44m、毎秒200立方メートルの水量を誇り、水量こそグトルフォスに主席を譲るものの、アイスランドどころかスイスのラインファル Rhinefall につぐヨーロッパに二番目にパワフルな滝なのだとか。その意味は「落ちる滝」

ヴァトナヨークトル氷河 Vatnajökull glacier を水源とするヨークルサウ・アウ・フィヨクトルム川 Jökulsá á Fjöllum にあり、北東アイスランドの広大な地域の水を集めてデティフォスに至ります。流れ落ちる水は堆積物を多く含んでいるために乳白色で迫力満点!

滝を見下ろせる一番の展望台に立ち、さすがにここまでアイスランドの滝を色々見てくると、正直最初はフーン。こんなもんか?って印象でした。まぁここの展望台は上から見るので滝壺はなんとか見えるけど、あまりもの水飛沫でイマイチ落差が実感できないからなんだろうと思う。

 

 

が、きた道を戻ると、不意に太陽が顔を出し、振り返るとそこには息を呑むような絶景が待っていたのでした。

最初は滝が燃えてる!と思いました。実際は滝そのものではなく、飛沫が上がる少し離れたところなのですが、そう思いました。みる角度によるのでしょう。最初は間違いなく赤く燃えていたのです!

 

 

虹の中の一番上の赤い部分だけが見えていたようです。その後少しずつ移動するにつれ、徐々に虹色に変化してくるのです。

こんな風景に出会えた幸運に本当に感謝した瞬間でした。

これこそは雲の行方、太陽の方向、そのほか様々な条件が重ならないと見ることができない絶景だと思ったのでした。

その後、太陽は隠れ、今度はみぞれが深々と降ってきました。アイスランドの天候は神出鬼没です。

 

セルフォス Selfoss

セルフォス Selfoss はデティフォスの上流1.5キロほどにある滝。太陽は出ているけど、降りしきるみぞれの中とりあえず目指してみることに。この辺の岸は柱状節理になっていて見応えがあります。柱状節理の岩をバックに降り頻るみぞれを撮ってみました。

 

 

冷えてきたので滝の近くまで行くのは断念し、遠目に撮影しました。小型のゴーザフォスのような滝でした。

みぞれだと思ってたらだんだん小さな雹みたいになってきたので退散!

 

 

 

リューカンタフォス Rjukandafoss

リューカンディフォス

エイイルスタジールEgilsstadirに至る少し手前、1号線沿いにRjukandafoss「煙霧の滝」を見つけ、ドローン撮影。

アイスランド語で「蒸気とか吹き流す」という意味の “rjuka” が名前の由来の滝で、ダイナミックに落下する冷水がまるで霧のような微細なミストに覆われた神秘的な滝というイメージで勝手に「煙霧の滝」と翻訳させていただきました。

落差139m、こちらもなかなかの見応えの美しい滝でした。

 

 

 

ファルダカフォス Fardagafoss

 

Fardagafoss案内板
Fardagafoss案内板

エイイルスタジール Egilsstaðir 郊外、バッカゲルジでパフィンとの一時を堪能した帰り道に立ち寄った滝です。

駐車場に車を停めててくてくと歩き始めると10分ほど、渓谷に滝を見つけました。

 

 

この滝もそれなりの規模で迫力があったのですが、どうやらこれはファルガカフォスではなくグフフォスGufufoss という名のファルガダフォスの下流に位置する滝でした。

さらに20分ほど上を目指すと目的のファルダカフォス Fardagafoss に到着。

この滝の裏側にはかつて洞窟があり、そこに入って願い事をすると叶うという言い伝えがあったそうですが、残念ながら洞窟が崩壊した今、滝のそばで願い事をするだけでも試してみる価値は十分にありそうです。

 

 

 

セリャラントスフォス Seljalandsfoss

 

 

ゴールデンサークルに戻ってきた。途中にスコゥガフォス Skógafossというこれまたアイスランドのゴールデンサークルを訪問する観光客がまず間違いなく訪れる有名な滝があったのだが、そこはスルーして、こちらは「裏見の滝」として有名な名滝。「恨み」じゃないよ「裏見」だよ(⌒-⌒; )。 

滝の裏側に入ることができる滝。間違いなくびしょ濡れになるので、レインウェアなどの対策を万全に整えてお越し下さい。駐車場代はこちらも1000円ほどだったかな?。

最大落差は65メートル。アトラクション的にもめちゃくちゃ楽しめる滝。

ゴールデンサークルはレイキャビクからも近いので、ゴールデンサークルのツアーには必ず入っている滝です。

 

 

こちらは残念ながら借り物ですが、写真家としてはこんな写真を狙いにもう一度アイスランドに行ってみたいものです。

 

セーリャラントスフォス Seljalandsfoss 夕景
借り物ですが・・・・

 

アイスランドの名爆十選

アイスランドの名爆十選といえば一般的には以下の10瀑がランクインしているようです。

  • グトルフォス Gullfoss
  • ファクシの滝 Faxi
  • ディンヤンディの滝 Dynjandi
  • グリームルの滝 Glýmur
  • ハゥイフォスの滝 Háifoss
  • デティフォス Dettifoss
  • セリャラントスフォス Seljalandsfoss
  • スコゥガフォス Skógafoss
  • スヴァルティフォス Svartifos
  • フロインフォッサルの滝 Hraunfossar

 

今回行くことができた滝はそのうちのおよそ半分でした。

 

ちなみにこの中で今回行き損ねたな〜と思うのは

ハゥイフォス Háifoss

スヴァルティフォス Svartifoss

フロインフォッサルの滝 Hraunfossar

Háifoss と Svartifoss は柱状節理の岩盤を流れ落ちる滝。

Hraunfossarnnの滝。日本の「白糸の滝」の規模をデカくしたようなちょっと日本的な滝。

 

次回にアイスランドに行くことがあればぜひ行きたい滝です。

 

アイスランド!最高!!

 

 

 

 

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