2019年1月・レッドシーツアーのご報告
目次
思えばこれがプレ・コロナ最後の海外ツアーとなりました。
過去の海外ツアーの記録なども順次ご報告していきたいと思います。今後のダイビングライフの参考にしてていただけたら幸いです。
またコロナが終息して以前のように自由に海外に行けるようになったら、年に1回は海外ツアーを企画したいと思いますので、是非ご参加ください。
今回は2019年のオフシーズン、世界最強の身障者ダイバー、Y.H.様のプライベートツアーを企画催行させていただきました。通算1000本を目前に記念ダイブとしてご希望の地はエジプトの紅海、シャルム・エル・シェイクへ、 Let’s Go!!
まずは成田から一路、カイロへ・・
今回のツアーは主役のY.Hさんに専属の介助者が2名、水中のバディとして自分と小菅、の総勢5名の布陣。
自分にとっても初めての幼少時代からの憧れの地、エジプト!テンションが上がります!!
カイロで乗り継ぎ、レッドシーの玄関口、シャルム・エル・シェイクへ・・
シャルム・エル・シェイクの街が見えてきた。
いよいよ初のレッドシーへDIVE!
当店の超常連さんであるY.Hさんはダイビングするためだけに一時期、那覇に住んでいたこともあるくらいのダイバーさん。生まれつき脳性麻痺のハンディキャップをお持ちで、若い頃は結構アクティブに活動しておられ一級船舶免許や、酸素プロパイダの資格もお持ちだったりします。ヴィアマーレに移籍してきておおよそキャリアの半分の1000本は自分がバディです。これまでにはパラオ、シパダン、グレートバリアリーフ、ハワイ、小笠原などさまざまな海をご一緒させていただきました。知り合った頃には普通の車椅子を自分でコントロールできてたし、水中でもある程度は自力で泳ぐことができましたが、脳性麻痺という障害では加齢に伴い急速に状態が悪化するケースが多いのです。というわけで、今では電動車椅子暴走族(笑)水中ではほとんどフルサポートで、かつフルフェイスマスクでサポートさせていただいております。
ともあれ!
ここは幼少時代からの憧れのエジプトの地!もうテンション・マックス!!
エジプトといえば暖かい土地だというイメージがありますが、レッドシーとはいえ2月の水中は水温23度!
ということでロクハンの両面スキンのカブリのスーツを用意。しかも日本と違いアルミのタンクが標準。その上レッドシーは塩分濃度が高いためウエイトの総量はなんと10キロの重装備。
ちなみに今回お世話になった現地サービスはシナイ・ダイブ・クラブ、SSIのショップです。
レッドシー(紅海)は固有種の宝庫
レッドシーはこの海にしか生息していないいわゆる「固有種」の宝庫。レッドシーは最南端でアラビア海につながるアデン湾との間にわずか20km程度の海況でつながっているほとんど海の離島。ちなみに北にはご存知の通り、人口の水路、スエズ運河があるだけで、地質学的、生物学的に極めて長いスパンで外界からほとんど隔絶された環境でしかも塩分濃度が少しずつ高くなるという特殊環境で独特の進化を果たした極めて個性的な生態系が育まれてきた海なのです。
魚類の多くはレッドシーにしか生息しない固有種。沖縄から来たワタクシにはどの魚も初見参の嵐なのであります。
今回撮影できたレッドシーの固有種たちをご紹介します。
レッドシー・アネモネフィッシュ。いわゆるただの「クマノミ」系の亜種ですが、オレンジが強いのが特徴のクマノミです。
レッドシー・フェアリー・バスレット、レッドシー固有のハナゴイの仲間。ハナゴイの仲間なのでいわゆる雌性先熟の性転換を行う、いわゆるハーレムを作るタイプの仲間です。そのうち魚の豆知識的なトピックを作って少しづつご紹介したいと思いますが、簡単にいうと生まれた時は全部メス。そのうち成熟して一番強い個体がオスに性転換して、生殖活動を行います。ちなみにクマノミなどはその逆。生まれた時は全部オスで、強いものだけがメスに性転換して、そのイソギンチャクのコロニーを仕切ります。
一応「ルリホシエイ」なる名前はあるようですが、日本には生息していない種なので多分、アクアリストが勝手につけた名前でしょう。沖縄でいうとマダラエイに近い種類になります。その名の通り鮮やかなブルーの斑点が特徴的なエイです。ちなみに尻尾に突き出ている棘には毒がありますので厳重注意です。
これはぜひレッドシーで出会いたかったお魚の一つ。レッドシー固有とされるヤッコの仲間です。レッドシーでは普通に見られる魚ですが、アフリカ東岸では稀に見ることができるようです。細い海況を抜けて大海に旅立ったセダカヤッコが少しづつ生息域を広めているのかもしれません。実は日本国内でも4例ほどの標本が上がっているので「セダカヤッコ」の正式和名がついてます。まぁ遺伝子的には近いのでしょうが、本家本元のセダカヤッコとは似ても似つかない風態になってしまってます。ひょっとしたらタンカーとかの貨物船のバラスト水に含まれてた稚魚が日本で放出されて環境に順応して繁殖し成長したものかもしれません。
シビレエイの仲間のレッドシー固有種です。
ブルーチーク・バタフライフィッシュ。頬に青い大きなスポットが印象的なチョチョウウオのレッドシー固有種です。レッドーシーではごくごく普通種。
固有種はまだまだあります。少しずつ更新していきますのでたまには覗きに来てくださいね。
ダイビングログ
2019年1月22日 1 st. DIVE:Shark & Yolanda Reef
ボートから見える大地はどこまでも赤い。まるでスターウォーズの世界です。
そしていよいよレッドシーでのファースト・ダイブ!
このポイントはシナイ半島の最南端に位置するシャークリーフと、沈船が鎮座するヨランダリーフを巡るコース。
この辺はラスモハメッド国立公園に指定されており、海域入域料金が別途チャージされるエリアです。
エントリーしてすぐ、クマノミ城がお出迎え、流れに乗ってシャークリーフを周り、チャンネルを渡ってヨランダリーフへ。
最後にヨランダ・レックを散策してダイビング終了。ヨランダレックは1980年に座礁して沈んだ貨物船で、原型はほとんど留めてませんが、積荷のバスタブなどが大量に散財していました。
レッドーシーのクマノミはこんな色合い。ちょっとオレンジが強めです。
2019年1月22日 2 nd. DIVE:Ras Ghozlani
2本目はラス・ゴスラニ。多分、自分が学生時代の頃にナポレオンフィッシュへの茹で卵での餌付けが行われていたところではなかったかと思います(間違ってたらごめんなさい。)もちろん自然保護の観点から餌付けはもうかなり以前から禁止になっているようです。
初心者でも気軽に楽しめるポイントなので多くのダイビングボートが集中しており、体験ダイビングや、シュノーケリングにも利用されているようです。
圧倒的なキンギョハナダイの群れと、ハード、ソフト入り乱れたサンゴのカラフルさに圧倒されます。申し訳ない。このポイントのマップ写真は撮り忘れました(汗)
2019年1月23日 1 st. DIVE:Gordon Reef
2日目は港から北東へ向かいます。シナイ半島とティラン島との間にいわゆるティラン・エリアへ。正式には、ストレート・オブ・ティランといい4つのリーフの周りにポイントが点在しています。
1本目はゴードン・リーフ、最南端のリーフで巨大なウツボ、ジャイアント・モーレイ・イールなどのウツボがよく見られるポイントです。
2019年1月23日 2 nd. DIVE:Jackson Reef
2日目の2本目はジャクソン・リーフ、結構流れが強くて介助ダイバーとしてはなかなかキツかった。でも水中は透明度も抜群で巨大な色とりどりのサンゴや、ウミウチワやイソバナが密生しているところもあって、そこにハナダイなどの小魚が群れ舞う風景は見応え抜群でした。サメやカメに出会うことも!。
2019年1月23日 3 rd. DIVE:Ras Nasrani
3本目はシャルム・エル・シェイク周辺に戻ってきてリゾートホテルが点在する沖合のラス・ナスラニを攻めました。ティラン・エリアに比べると透明度はやや落ちますが流れもさほどなく楽しめました。
2019年1月24日 1 st. DIVE:Ras Za`atar
3日目は再びラスモハメッド国立公園周辺エリアへ!
3日目の1本目はラス・ザータル。所々に写真のようなウミトサカやヤギ、腔腸動物にびっしりと彩られたピナクルが散在します。
2019年1月24日 2 nd. DIVE:Shark & Yolanda Reef
3日目の2本目で最初に潜ったシャーク&ヨランダ・リーフに再び潜りました。前回は写真撮る余裕はなかったので今回は色々撮ってみました。
2019年1月24日3 rd. DIVE:Ras Ghozlani
3日目3本目は2回目となるラス・ゴスラニへ
2019年1月25日 1 st. DIVE:Ras Za`atar
4日目もラスモハメッド国立公園周辺エリア。
1本目はこちらも2回目のラス・ザータル。
2019年1月25日 2 nd. DIVE:Shark & Yolanda Reef
2本目はシャーク&ヨランダリーフに3回目のダイブ。
2019年1月25日3 rd. DIVE:Ras Ghozlani
3本目はこれまた3度目のラス・ゴスラニ。
2019年1月26日 1 st. DIVE:Near Garden
5日目はローカルエリアになるのかな?シャルム・エル・シェイクのリゾート・エリアの沖合のポイントを潜ります。
1本目はニア・ガーデン。
ウミウチワ系の八方サンゴに群れるテンジクダイなどの小魚の群れがハンパ無いっす!
2019年1月26日 2 nd. DIVE:Ras Umm Sid
2本目はラス・ウム・シッド。
2019年1月26日3 rd. DIVE:Ras Katy
2本目はラス・ゴスラニ。圧倒的なキンギョハナダイの群れと、ハード、ソフト入り乱れたサンゴのカラフルさに圧倒されます。申し訳ない。このポイントのマップ写真は撮り忘れました(汗)
2019年1月27日 1 st. DIVE:Lara Wreck
6日目に再び念願のティラン・エリアへ!
1本目のここララ・レックで今回の主役Y.Hさんの記念すべき1000ダイブの記念ダイブとなりました。
身内はもちろん、同船していた海外のダイバーたちからも称賛の嵐!感謝感激でした。
2019年1月27日 2 nd. DIVE:Thomas Reef
2本目はトーマス・リーフ。
2019年1月27日3 rd. DIVE:Ras Nasrani
レッドシーの締めは、ローカル・エリアに戻ってきて2度目のラス・ナスラニ。
以上で今回のレッドシーダイビングを終了しました。