南の海の小さな天使!ピグミーシーホース!
ピグミーシーホースという生き物をご存知ですか?
20年ほど前にパプアニューギニアの海で初めて見つかった超小型のタツノオトシゴの仲間の総称です。
その後太平洋の熱帯、亜熱帯域の海で次々と見つかるわけですが、ヴィアマーレのメインゲレンデ、残波岬はピグミーシーホースの宝庫です。
動画に出てくるバーギバンティ・ピグミーシーホース(Hippocampus bargibanti)なら季節によって個体数の増減はありますが残波岬では通年通して見ることができます。
一つのホストに最大12匹がいたこともあります。
かつてヴィアマーレの名物だったこの一番多くのピグミーシーホースが見られたミュリエラ属のヤギ(八方サンゴの仲間)ですが、心無い密猟者によって根本から切断されたことがあります。2009年7月1日に発見しました。
幅およそ1m超、水深は23m。こんなでっかいヤギを根こそぎ持っていくという極悪人の神経を疑いますが、まぁこんな人間はいつか地獄に落ちるでしょうね。
生命の力って偉大です。根本からごっそりと切り取られたにも関わらず、わずか13年ほどでここまで蘇りました。でもまだまだ往時の姿に比べれば面積比で4分の1ほどでしょうか?ピグミーシーホースは夏場に1、2匹ほどが見られる程度です。
バーギバンティは赤い個体が多いですが、残波周辺では黄色い個体も見ることが出来ます。
実はピグミーシーホースの仲間は元祖「イクメン」なのです。
左の方のピグミーシーホースのお腹が右のに比べてちょっとぽっちゃりしているのがわかるでしょうか?
この子なんかお腹、風船のようにパンパンです。まるで臨月のお母さんのようですが、実はこの子、雄なのです。もちろん卵を産むのは雌ですが、雄のお腹にある育児嚢というおなかの袋の中に卵を産みつけます。卵は雄の育児嚢の中で孵化し、雄は大切に稚魚をお腹の中で守ります。そしてある程度成長した段階で稚児は雄のお腹の中からハッチアウトして大海に泳ぎ出すのです。
こちらは神出鬼没的に出てくるレアものの通称ジャパピグ。最近ハチジョウタツという正式な和名がつきましたが、学名がそのまま”Hippocampus japapigu” なのが笑えます。沖縄ではたいていサボテングサという海藻を次から次へと移動していて、なかなk一箇所に定着することがありません。じっとしているとまずその存在すら気がつかないのですが、サボテングサからサボテングサに移動する時に見つけることが多いです。1cmほどの個体ですが、慣れれば結構離れてても見つけることが出来ます。
こちらはこれまで一度だけ見つけたピグミーシーホース。ハチジョウタツのようにも見えますが、通常ジャパピグはサボテングサという褐藻につくことが多いのですが、このジャパピグはバーギバンティと同じミュリエラ属のヤギに寄生していたことと色味が微妙に違うのでひょっとしたら新種かもしれません。
こちらは体表がツルッと真っ裸のように見えるデニース・ピグミーシーホース。かつて残波岬周辺に散見されましたが、ホストのヤギが先から死んでいって今では往時の半分ほどの面積になってしまいました。残念ながらこの10年ほどは全く見かけなくなりました。
こちらは一番最初の動画にも出てくるピグミーシードラゴンというお魚です。学名Kyonemichithys rumenganiなのでピグミーシーホースとは別の属になります。こちらもせいぜい体調2センチほど。ほとんど糸くずにしか見えない魚ですが、年によってどこでもやたら見られる年と、全く見つからない年があります。今は読谷周辺ではほとんど見られませんが、恩納村の山田砂地で確実に見られます。細長いのと海藻に尻尾を絡めてゆらゆらと漂っているので写真撮影には困難を極めます。
ピグミーシーホースは大きくても親指の爪ほどの大きさですので老眼のダイバーさんには厳しいかもしれませんが、ぜひ虫眼鏡ご持参でピグミーシーホースに会いに来てください!実に可愛い奴らです。夏場ならバーギバンティなら残波岬周辺にさえいければ100%見ることが出来ます。また残波岬では15m前後、浅いところであれば12mで見れることができるのも魅力の一つです!
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