ヴィアマーレ

サメってやっぱりヤバイよね!!

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ダイビングはしてみたいけどサメとかってヤバくないですか?

 

はい。これはダイビング講習を受けようとチラッとでも思った方の素朴で典型的な不安要素でしょうね。継続教育を受けて現役のインストラクターでも正しい認識を持ってない方も多いかもしれません。映画「ジョーズ」の強烈な印象は40、50代の世代には特にこびりついているようです (⌒-⌒; )

今日はみんなが怖がるサメについて掘り下げてみたいと思います。

 

 

まずは全てのサメが肉食ではない!

 

はい!サメの仲間で特に大型になるサメはほとんどがプランクトンフィーダーです。イワシなどの超小型の魚は食べるかもしれませんが、人間を襲うことは100%ありえないおとなしいサメです。

読谷村で人気のジンベイザメダイビングの主役であるジンベイザメや、メガマウス、かつては首長竜に間違えられたこともあるウバザメなどの大型のサメは全てプランクトン・フィーダーで人を襲うことは100%あり得ません。

いわゆる危険と言われているサメといえば、ジョーズで有名になったホオジロザメを筆頭に、イタチザメやシュモクザメが挙げられます。沖縄で一番よく見られるのはネムリブカというサメで大型になると1mを超えるものもいますが、基本的に水底や穴の中で休んでいることが多く性格は極めて大人しいので下手に触ろうとしたりしなければ全く危険はありません。

 

 

 

 

ズバリ!レジャーのスクーバ・ダイビングではサメによる咬傷のリスクはほぼゼロ!

 

サメに襲われたなんてニュースはとかくセンセーショナルに報じられるものですが、レジャーダイビングでサメに襲われたという事例は正直40年近くダイビングを続けてきて一度も聞いたことはありません。サメによる実害はほとんどの場合、起こるべくして起こったか、単なる無知によるものです。

 

サメによる被害の例、その1

 

サメに襲われることが最も多いのは圧倒的にサーファーです。波待ちで水面をボードに乗って手足を動かしている動作は水中のサメには大好物のアシカにそっくりなのです。日本にはアシカは生息していませんのでこの事例は国内ではまず聞いたことがありませんが、特にハワイのノースショアーやオーストラリアではアシカも生息しています。サメは視力はさほど良くないので、まずはこいつ食えるかどうかとりあえず噛んでみるのです。それが人間には致命傷となるケースが多い、ただそれだけ。日本でも10年ほど前に宮古島でサーファーが襲われたケースがありましたがそれは次のケースとの複合型かもしれません。

 

サメによる被害の例、その2

 

透明度の悪い海での出合頭。自分の手も見えないぐらいの透明度の悪い海で、たまたまサメと出くわしたらどうします?まずはビックリでしょう。相手も同じです。もしこちらになんらかの対抗手段があれば全力で駆使するでしょう。残念ながら素手の人間にはそんな手段がありません。でもサメさんはとりあえず噛んでしまえ!という防御手段があるので、とりあえず防御本能で噛んだだけ。タイラギ漁の漁師や、これも宮古島ですが、透明度の悪い海で船底掃除をしていたダイバーが被害にあったのはこのケースに該当します。

 

サメによる被害の例、その3

 

30年ぐらい前のバブル期に何度かあった話です。成金がヨットを買って、子供や孫を乗せてクルージングしながら、浮き輪に子供を乗せてヨットで引っ張るという遊びをやってました。ヨットの巡航速度ってまさに釣りのトローリングの速度です。はい!彼らは自分の子供や孫を餌にして釣りをやっていたようなものなのです。ここまで来ればもうただのバカ。サメに食われて死んだ子供たちがうかばれないレベルですね。

 

魚類は基本気泡が嫌い

 

ザトウクジラのバブルネット・フィーディングをご存じでしょうか? ザトウクジラは餌となる小魚を効率的に食べるためにグループで空気のバブルのカーテンを作り、そのカーテンを少しづつ小さくしていきながら最後に密集した小魚を一網打尽にするという高度な作戦を展開します。要は魚類は基本的に気泡を嫌います。サメも同じです。ある程度透明度のいい海でサメがダイバーに遭遇するようなことがあれば、100%間違いなくあちらから逃げていきます。自分の35年超のダイビング経験の中でも、いわゆる危険とされている、ジョーズのホオジロザメや、シュモクザメなどに遭遇したことは何度もありますが、写真も撮らせてくれないくらいの勢いで逃げていきました。したがってまともな写真は一切残っていません。サメなんてそんなもんです。

 

というわけで

 

基本、通常のダイビングシーンでサメを恐れる必要は皆無だと断言させていただきます!まぁレジャーダイバーが警戒する必要が仮にあるとすれば、ナイトダイビングか台風直後の透明度の極めて悪い水中ぐらいでしょう。サメに関しては全く心配することはございません!むしろ見れたらラッキーだと思ってください。ある程度経験を積んだダイバーになるとむしろサメを見たい!とリクエストしてくるようになるでしょう。

 

ちなみに・・・

 

サメの仲間というのは海の生態系の中で極めて重要な役割を果たしていると言われています。エサとなる動物個体数のバランスを保ち、病気の動物を始末して海を健康に保つという重要な役割を果たしているのですが、世界各地でサメの個体数は減少しており、その保護は鯨類に比べると進んでいないというのが現状です。サメの仲間の評価はもっともっと良くなって然るべきだと思うのです。

 

動画の日本語訳:

サメの仲間

サメの仲間は地球上に470種類以上存在します。そう!ホオジロザメだけではありません!

サメの仲間はいわゆる軟骨魚綱に属します。その骨格は骨ではなく軟骨です。

サメの仲間は水中で動体検知能力に非常に優れており、暗視下や透明度の悪い海でも自由に泳ぐことができます。

卵生のサメもいれば胎生のサメもいます。テンジクザメ、オオセなどのサメの仲間は卵生です。が、多くは胎生です。

そしてサメは決して凶悪なマン・イーターではありません。事実、水中ではサメ以外の外敵による被害の方が圧倒的に多いものです。

サメの仲間は、エコシステムにおける微妙なバランスを保つために非常に大きな役割を担っています。

しかしながらメディアは必要以上にサメの恐怖を煽り立て、生態系に必要不可欠なサメ類の保全に悪影響を与えています。

世界規模でサメ類の個体数は激減しています。

サメの仲間がいなくなってしまった海洋は一体どうなってしまうのでしょうか?

 

サメの生態についてもっと学びたい方はぜひSSIシャーク・エコロジーの受講をオススメします!

 

 

サメについてもっと学びたい方はSSIシャーク・エコロジー・コースをぜひ受講してください。サメの種類の同定方法から、サメの本質、サメの生態や、サメが海洋の生態系にどれだけ貢献しているか、詳しく学んでいただけます。

 

 

 

この記事を書いた人

案納昭則

潜水歴四十年、総本数12000本を超える現役のSSI(スクーバ・スクール・インターナショナル)インストラクターでありJPS所属の職業写真家。
2003年にNHK「趣味悠々〜水中散歩を楽しもう(全7回)」講師を担当。上智大学外国語学部フランス語学科中退。
NPO法人沖縄県ダイビング安全対策協議会事務局長を歴任。

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