クマノミの覚え方
中には魚の名前には全く興味ない!
という方もおられますが、ぜひまずは日本にいるクマノミ6種類だけはぜひ覚えておきましょう。
そこからひょっとしたら魚の名前を覚えていくモチベーションが湧くかもしれませんよ(笑)
目次
とりあえず日本で見られるクマノミ6種は覚えておこう!
とにかく日本にいるクマノミは6種だけです。
ちなもに「クマノミ」の仲間はインド洋、太平洋の暖海に2属28種も生息してます。2属とありますが、ほとんどが学名のファミリーネームがAmphiprion(クマノミ属)さんの家系。もう一つのPremnas(プレムナス属)さんの家系にはもう一種しか存続しておらず、日本にはいないので、とりあえずここでは無視します。
大きなグループであるAmphiprion家にも分家がいっぱいあって、細かいところを説明したいところなのですが、ここはじっと我慢して、まずは日本で見られるクマノミを覚えやすいように整理し説明していきたいと思います。
覚え方は!「一ハマ、二クマ、三カクレ、セジロ、ハナビラ、トウアカ」!
後半語呂がないですが、流れで覚えましょう。
大事なのは魚の縞模様の考え方です。
動画に横縞1本とか2本とかあったと思います。ダイバーから見ると「え!縦縞やん!」と思うでしょう。当然です。
生きている個体が水中で泳いでいる姿では縦縞なのですが、古来、魚類というのは魚釣りで釣り上げられた時の姿で名前が付けられているものなのです。
釣り針にかかって釣り上げた状態では頭が上、尾鰭が下ですので、水中で泳いでいた時の縦縞は横縞になります。
従って魚のお名前はダイバーにとっては縦横が逆になり、違和感を感じますが、釣りをされている方なら全く違和感はないでしょう。
ちなみに色に関しても然りです。沖縄でよく見られるアカヒメジという魚がいますが、ダイビング中に見ている限り日中は赤なんて色彩は想像すらできません。
が、釣り上げられると即座に赤っぽく変色します。ちなみにナイトダイビングで見るアカヒメジもちょっと赤みがかって見えます。
ハマクマノミ
というわけで「一ハマ」です。
オレンジ色の体色に際立つ白い横縞一本!ハマクマノミです。
ご存知の方も多いと思いますが、クマノミの仲間は雄性優先の性転換を行う魚。
生まれた時は全て雄、ホストであるイソギンチャクで共同生活をするグループ(血縁関係は基本ない)で最も力の強い個体のみが雌に性転換して、グループNo.2の最優位の雄とペアとなって卵を産み子孫を残します。
ハマクマノミの場合、優位になればなるほど体側に黒斑がくっきりと現れてきます。写真では一番下にいるのが最優位の雌。一番上にいるのがN02.の雄です。
クマノミ
「二クマ、」ただの「クマノミ」です。
白い横縞二本!
写真のクマノミは最も典型的なカラーパターンですが、カラーバリエーションというか色味の変化が多く、特に最優位の雌となると、尾鰭と胸鰭以外はオレンジ味がほとんどなくてほとんど真っ黒の個体とかもいたりします、が、とにかく白い横縞二本はザ・クマノミ!です。
カクレクマノミ
「三カクレ、」カクレクマノミです。
鮮やかなオレンジ色に白い横縞三本!が、特徴。
写真のクマノミは最も典型的なカラーパターンですが、白線に黒の縁取りが目立つ個体とか、ごく稀にオレンジの部分がほとんど真っ黒な色彩変異個体も出てきたりします。アクアリスト・ショップなどに行くと、突然変異のカラーバリエーションのパターンが売られてたりもします、が、とにかく白い横縞三本はカクレクマノミ。
現場では「ニモ」だよ!って紹介するのですが、厳密に言うとディズニーアニメの「ニモ」はオーストラリアが舞台。Amphiprion percuraという学名で日本産のAmphiprion ocellarisとは別種になります。先のアクアリスト・ショップで売られている珍しいカラーバリエーションの個体はおそらくオーストラリア産のAmphiprion percura から交配をすすめたものと思われます。
セジロクマノミ
背中の白線が目立つクマノミはこのセジロクマノミと次のハナビラクマノミですが、セジロクマノミは上唇から尾鰭の付け根まで一本だけ目立つ白線が通っています。
横縞はありません。
自分はウルトラマンクマノミと呼んでおります(笑)
ハナビラクマノミ
セジロクマノミと同様に背中の白線が目立つクマノミですが、こちらは背中の白線はおでこというか眉間の間で止まります。
また鰓に沿った白線も目立ちます。
何より、写真は少しオレンジ色が濃い個体ですが、基本的にはその名の通り、まるで桜のハナビラのような淡いピンク色の体色が印象的なクマノミです。
トウアカクマノミ
トウアカクマノミはその名の通り、頭部だけがくっきり鮮やかな赤というより濃いオレンジ色が特徴です。
あとは真っ黒の体色に鰓のラインと、背中、そして尾鰭の淵にくっきりとした白線が印象的です。
こちらは基本ダイバーが普通に潜る環境ではあまりお目にかかることはなく、周囲に全く何もない砂泥底や砂地のほとんどの場合イボハタゴイソギンチャクというイソギンチャクをホストとするクマノミで、沖縄本島でも観察できるポイントは極めて限定されます。
以上が日本産クマノミ6種類のお名前の覚え方!
というわけで今回はクマノミの覚え方に限定してご紹介させていただきました。
海外には個性的なクマノミが他にもたくさんいます。基本的には日本産のものとは似ていても遺伝子レベルでは別種とされているものがほとんどです。その地域に潜りに行った際に少しずつ覚えていくといいと思います。
また、クマノミの生態には面白いお話が満載なのでまたの機会にクマノミの生態についても詳しくお伝えしたいと思います。
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