我が人生で最高の一本!モルディブ共和国バァ環礁。ハニファル・ベイ!
目次
今まで一番印象的だったダイビングはどこ?
40年もダイビングをやっていると、お客さまやマスコミなどからもよく聞かれるテーマです。
世界中さまざまな海を潜ってきました。ダイビングは一切なしのアラスカでザトウクジラを撮影するだけの旅もありました。
1990年、沖縄では初めてとなるザトウクジラとの水中での邂逅と撮影成功や、NEWS23の取材での小笠原でのザトウクジラの撮影も生涯忘れられないシーンではありますが、やっぱり最も印象的で忘れ難いダイビングといえば僅差ではありますが、2009年の11月に行ったモルディビアン・スターズの北回りツアー、バァ・アトールのハニファル・ベイでしょう。
とにかく狭い水路の中に南西モンスーンの影響で大量発生するプランクトンを食べに何百頭ものマンタが集結し、マンタ・トルネードを繰り広げ、おまけに巨大ジンベイザメが3頭ご降臨というおまけ付き。
海底近くを埋め尽くすマンタ畑の中からジンベイザメが浮上してくるシーンはまさに自分のダイビングシーンで圧巻のひと時でした!
まずは地理学的なおさらいから・・・モルディブ共和国ってどこだっけ?
まず地理学的情報のおさらいです。モルディブ共和国はダイビングをされている方はもちろん、日本でもバブル期以降新婚旅行のメッカとされていましたのでご存じの方は多いと思います。
インド洋の西部、インドの南西に位置し、南は南緯1度から赤道をまたぎ北緯7度に至る南北1200kmに渡る南北に細長い海洋国家。19の環礁群に属する26の環礁からなり、島々は約1,200を数え、そのうち有人島は約200。最も大きい首都の島マレでも面積は5.2㎢、国際空港は首都マーレに隣接するフルレ島にあります。
モルディブという名はサンスクリット語で「島々の花輪」という意味ですが、しばしば形容される「インド洋の真珠の首飾り」が自分的にはしっくりきます。
日本から行くにはエアランカ航空、シンガポール航空、そしてエミレイツ航空が就航しています。
自分のモルジブ歴
ちなみに自分自身、これまでモルディブには都合10回程度行ってます。
最初が1994年の3月、当時はまだサファリクルーズはほとんど存在せず、リゾートステイが定番。南マーレ環礁のヴィヤドゥーというリゾートでした。ハウスリーフが充実していると定評のリゾートで、座間味在住時代から懇意にさせていただいていた水中写真家、近藤国広先生がモルジブでは定宿にしていると常々聞かされていたので、最初のモルディブでの撮影旅行の行き先に決めたのでした。その後、多くはハンディキャップをお持ちのダイバーさんを含むゲストを引率したツアーで何度も利用させていただきました。1996年以降数回の初期のモルディブツアーは全てヴィヤドゥー、ステイ。現在モルディビアン・スターズを経営するカオリータや、現在は写真家でご活躍の若き鍵井靖章氏と出会ったのもこのリゾートでした。当時はフィルム写真の時代でモルジブに行くと36枚撮フィルムで毎回100本以上撮っていて、フィルム代と現像代だけで旅費以外に30万円以上かかったものです。
その後2003年ぐらいでしょうか?まだ自分的にはフィルムを使っていた時代にバァ環礁に新しくできたリゾート(ロイヤル・リゾートだったかな?)に行った記憶とポジフィルムはありますが、何年だったか思い出せません。
デジタル写真時代に突入して、2009年には春と秋に2回行きました。どちらも先の記事でもご紹介した伝説の車椅子ダイバーさんのプライベートツアー。ここからはカオリータがサファリボートを始めたと聞いていたので、モルディビアン・スターズ利用のダイビング・サファリになります。
特に2009年の春のツアーは赤道通過予定の南回りのスペシャルツアーでしたが、話の本題となる秋の北回りツアーとは別の意味で忘れ難い印象的なツアーでした。機会があればカオリータの許可を得た上で発表するかもしれません(笑。)
2017年2月の南北マーレとアリ環礁の定番ツアーが最後でしょうか?その時はハンディキャップをお持ちのダイバーさんが2名参加されていました。その当時インストラクターになってまだ日も浅い彼女を介助ダイバーとしてお誘いし、自前で自身初めてのモルディブに同行していただいた方が、現在、モルディビアン・スターズの名ガイドの一角を担うあの子です。
コロナがあったとはいえ思えば長いこと行ってないなー、モルディブ・・・と、しばし感傷に浸るの巻。
で肝心の2009年秋のモルディブ・ツアーのお話。
モルディブ共和国・バー環礁・ハニファル・ベイ
ハニファル・ベイってどこにあるの?
先ほどのモルジブの地図にマーカーがついているところがハニファルです。少し下にマレとあるのがモルディブの首都であり、隣接して国際空港があります。マレ島は北マーレ環礁という環礁のほとんど南端に位置しており、ハニファルがあるバァ環礁はその北東に位置しており、しかも環礁の間の海峡は結構離れているのです。
基本、モルディブのサファリ・ツアーでは一つの環礁の中を航行している限りはベタ凪で、よほど船酔いしやすい方でない限り快適に過ごせるものですが、環礁と環礁の間の海峡を渡る際に限っては季節風が強くなるとかなり揺れることもあり、船酔いに悩む方もいるかもしれません。この2009年の北回りツアーの際にも、他のサファリボートが早々に海峡横断を断念する中、モルディビアン・スターズは海峡横断を断行してくれました。これがこれからの奇跡の始まりでした。
地図をご覧ください。「ハニファルー・マリーン・プロクティッド・エリア」と記されているちょうど陸生の蛇かトカゲが大きく口を開けたように見える細長い入江がハニファル・ベイです。ハニファルの環礁自体がドーナツ状に真ん中が少し深くなっているのが見てとれます。そしてその縁は南側が北側の、しかも湾の最奥部が微妙に深くなっています。ここでは南西の季節風が外洋からのプランクトンを湾内に詰め込む作用をすると同時に、環礁の浅場で太陽を浴びて増殖したプランクトンが引き潮に乗って湾内に大量に流入してくるという、プランクトン・フィーダーの生き物にとっては理想的な餌場を演出しているのです。しかもめちゃくちゃ狭いエリアに大型の生き物が大量にひしめくので、ダイバーにとっても当然ながら楽園です。
現在ではこのエリアは「ハニファル・マリーン・プロクティッド・エリア」として国が管理しており、残念ながらスノーケリングのみが許可されており、しかも予約制で1業者1日1回のみといった厳しい制限がかけられているようですが、2009年当時はそういった縛りが全くなかった時代なので、もちろんスクーバもできるし、朝、ダイビングに行く際にちょっと寄ってマンタがいるか確認できたらもうその日はマンタ三昧とか、朝はいなくても夕方帰る時に寄ってマンタがいたらすぐさまスクーバとか、スクーバの合間に立ち寄って、いるようならスノーケリングとか、もう3日ほどマンタとジンベイの天国でした。
2009年ハニファル・ベイ、奇跡への道程
2009年11月7日深夜、成田よりシンガポール経由でフルレ国際空港(現在はヴェラナ国際空港というらしい)到着、迎えのドーニ(モルディブ仕様のダイビングボートにもなるボート)でサファリボート(この時の船名何だったかなー、覚えてない💦)に乗船。
翌日から早朝出港で北マーレ環礁を点々と潜りながら、北を目指します。
北マーレ環礁でも普通にマンタとは遊べます。
マンタが脇役という贅沢な構図(笑)
11月9日ほぼ半日をかけて北マーレ環礁からバァ環礁に渡ります。流石にかなり揺れました。
こちらがその時のツアーの全道程です。
北回りバァ環礁入り初日・・・
11月9日夕刻にバァ環礁に到着し、早速シャーミーがハニファルをチェック。
GO!が出て早速ハニファル初ダイブ。現地時間で16時過ぎのエントリー。
この時でも多分30頭以上のマンタが集結してました。
照明には気を使いましたが、それでもプランクトンのハレーションは抑えきれず、ノイズの多い画像になってしまいました。
かつて小笠原の母島でSONYのハイビジョンで世界初のナイトマンタの映像を撮影した時や、ハワイ島コナ・ヴィレッジのナイトマンタと同様、捕食に夢中でダイバーなんて眼中にありません。狂喜乱舞のマンタたちなのでした。興奮のうちに終了したバァ環礁到着初日。でもこれはまだまだ序章・・・
北回りバァ環礁2日目・・・
1本目、ハニファルをチェックしますが、あまり集まってないということでとりあえず近くのポイントへ
もちろんこれはこれでサイコーな海でしたが、ここからお祭りの始まり!!
母船に帰りながらハニファル・チェックするとマンタ大集結との情報!
まずはスノーケリングでフィーバー!
もうワケワカメ(汗)
プランクトン濃すぎて、ストロボなしでもハレーション起こしてしまう状態。お手上げです。
奇跡のマンタ・トルネード!
マンタ畑からジンベイ出現のスペクタルもさることながら、この日2ダイブ目のハニファルでのスクーバではさらに奇跡的な映像が・・・
それが100匹を超えるマンタによるマンタ・トルネード!
100匹超のマンタが渦巻き状に泳ぐので、トルネードがら外への激しい水流が発生し、目一杯フィンキックしないと外に押し流されて流されてしまうほどでした。
少しずつ落ちていく太陽の中、マンタたちの饗宴はいつまでも続いていくのでした。
そしてハニファル最終日
この日は早朝にハニファルでのスクーバ。その後ジンベイが出現したのでちょっとスノーケルして、海況を渡って北マーレ環礁も戻るコース。
前日ほどではないもののジンベイザメもしっかりお見送りに来てくれましたとさ。
その後は普通に北マーレを点々と潜りながらツアー終了!帰国の途へと着いた次第。
マジで内容の濃すぎるバー環礁での三日間。モルディブの魅力を再認識した旅でした。
今のようにGoProとかあったらめちゃくちゃエキサイティングな動画が撮れてたと思うとちょっと残念と言えば残念ですね。
お付き合いいただきありがとうございました。
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